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2003年8月号
アンバル遠征
み使いがアブ・ウバイダの指揮の下に、三百の遠征の精鋭を海岸に派遣したのはヒジラ八年(六二九)のことであった。彼らの食料としてなつめ椰子の実が一杯はいった一袋ずつが与えられたが、定量不足のため十五日間がようやく維持できるだけであった。そこで当座の食料を得るために、カイスがラクダ三頭をひいて、購入品に対する支払いは、メディナに帰って後に決済する約束で買出しに出かけた。
ウバイダの考えでは、ラクダを屠殺して食料に供すれば一時は凌げるが、結局一行の唯一の輸送力を奪うことであるから、それはできなかった。彼は各人が持っている残ったなつめ椰子を集めて一袋に保管し、各人に一日一個ずつ配給することにした。あとになって人から聞かれた。
たんに一個のなつめ椰子で終日どう暮らして行きましたか。
ジャビールは答えた。
その一個のなつめ椰子で持ちこたえたが、全貯蔵が尽きたとき、我々は飢餓の極に陥り、乾いた木の葉を水に浸して食べた。
こんな状態に陥ったときアッラーは彼らの上に恩恵を垂れたもうた。アッラーはくるほどの困難を強く耐え忍んだ者に慰安を下したもうのがつねである。すなわち、そのときアンバルという大魚が海中から彼らのところに飛び上がってきたのである。その魚はみなの者を十八日間給養できるほど大きいものであった。彼らは残ったものを袋に詰め、無事にメディナに帰着することができた。この事件がみ使いに報告されたとき、彼は言った。
その魚はアッラーによって君らのために支給された食料であった。
困難と邪魔はこの世では常のことである。なかんずくアッラーのために奉仕する人々にとっては必ず免れ得ないことである。
この世における最大の試練は預言者達にふりかかる、次いでは彼らを継ぐ者である、それから残余の最善の追従者である。
アッラーに近侍することにより試練を受ける人、そして、彼らは試練ごとにアッラーの恩恵と慈悲により慰藉と安易を授けられる。みよ、いかに多くのイスラームの先輩が、アッラーの道のために受難したか。彼らは真の信仰に奉仕するために飢え、木の葉も食べ、血も流さなければならなかった。その同じ信仰に今我々は、価値の少ない我々のやり方で取り組んでいるのである。

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