2006年6月号 

預言者ムハンマドが教えた予防医学



イマーム・ムスリムは「サヒーフ」で次のように伝えている。「犬が万が一あなた方の食器をなめた場合、それを清め方は、7回洗うことである。その一回めは、土で洗うことである」


この時代、今日我々が殺菌のために使っているような物質は存在しなかった。そのため預言者ムハンマドは土を勧められていたのである。後になって、科学の発達により水と同様土にも殺菌効果があることが判明した。土にはテトラリトやテトラスキンといった物質が含まれており、これはある種の菌に対しての殺菌の際に使われている物質である。つまり、預言者ムハンマドは、土で洗うことを奨励することによって、傷がまず最初に消毒されなければならないことを命じられているのである。


その他にも、ハディースには注意を引く点がいくつかある。犬に存在する一部の病気は、人間の体においても発生することがある。このことは、今日まだ新しいものとみなすことのできる事実である。


二つめとして、犬の糞などは人間の健康に害を与え得るものである。唾液も同様である。そして、ある段階以降は、それらによって起こる病気を防ぐことが不可能になる。そのために、殺菌が大切なのである。


三つめとして、まず土で洗うという命令の、注意を引く別の側面は、その土が、消毒作用を持つこと、そしてさらに、それによって6回、別の伝承によれば7回、それを洗うとされている点である。このことは、ドイツとイギリスで雑誌に掲載され、預言者ムハンマドの言葉の正しさが彼らによっても認められたのである。


預言者ムハンマドは犬に関して非常に注意深く振る舞われた。さらには、一度は犬を皆殺すことを命じられたこともあった。しかし、この命令は後に停止された。その際、預言者ムハンマドはこのように言われている。「もし彼らがそれ自体一つの共同体でなければ、犬を殺すことを命じていたのだが」 この意味は次のとおりである。もし犬が、それ自体生態系のバランスに関係ある構成要素でなかったら、そして、被創造物としての法則からその存在は必要とされていなかったら、犬の屠殺処分を命じていただろう。なぜなら犬は雑菌の温床であるからである。


このことに関しては、預言者ムハンマドがこういう点に言及していることも一つの奇跡である。なぜなら、今日まだ新しく知られ始めた自然界の秩序や生態系のバランスという考えが当時すでに、犬を殺さないという判断の元になっているからである。我々は1400年も経ってようやく、クジラや象、サイといった種が絶滅しないように、それによって生態系のバランスが崩れないように、といったことを言い始めたばかりなのだ。しかし預言者は、当時からこのことを指摘されていたのである。


アッラーはこの世を創造され、その構成要因の間にバランスを作られた。「かれは天を高く掲げ、はかりを設けられた。あなた方が量りを不正に用いないためである」(慈悲あまねく御方章55/7‐8)この節は、これを警告しているのである。


預言者は調和に重きを置く方であり、もちろんアッラーが造られた調和を守られた。そのため犬の処分を見送られたのである。ほんの数語の文の中にも、我々が各確認できるこれだけの奇跡が含まれているのだ。おそらくは将来的にも、この同じ文から多くの事実が見つかるであろう。この言葉が語られた時代を考えると、一人の人間が一生考え抜いてようやくこの言葉のみを生み出したとしても、その人間は天才と呼ばれるのにふさわしい。しかし預言者ムハンマドは、これと同じような言葉を他に何千も語られているのである。


完全な自信を持ってこのことを言いたい。事件や出来事は全て、彼らの言葉でもって、預言者ムハンマドを評価し「あなたはアッラーの預言者であり、あなたの言うことは正しい」と言っているのだ。学問の発達に従って、いつか、全ての人が同じことを言うだろう。今日、学問はスパイのように、この世に存在する物の中で眠っている。預言者ムハンマドが語られたこと、そして聖クルアーンで述べられていることが研究され、明らかになるにしたがって、それらは目覚め、預言者ムハンマドの正しさを深く感じ、それをこの世に伝えようとしているのである。

 


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