2007年11月号 

地上の良心 カーバ

 

ラマダーン月の短期間のウムラのため、預言者たちを生み出した土地・中東の大地にあって、最後の、そして最も尊い預言者であるムハンマド(彼の上に祝福と平安あれ)のキブラが存在するマッカへと向かい、私たちは「ラッバイク アッラーフンマ ラッバイク ラッバイカ ラー シャリーカ ラカ ラッバイク インナルハムダ ワンニヤマタ ラカ ワルムルク ラー シャリーカ ラク」と唱えながら進んで行きます。

マッカは、クルアーンの表現によるなら、全ての村や町の母なのです。アッラーのために造られた家、最初の礼拝所であるカーバが、ここにあるのです。アーダムにより、人類はここから始まったのです。ヌーフの洪水は、このバイティ・マームル(天の第七層にあり、周囲を天使たちが周回しているとされている礼拝所)の、地上における投影の地を失わせました。

 

預言者達の父祖イブラーヒーム(彼の上に平安あれ)は、最後の預言者ムハンマド(彼の上に平安あれ)の父祖となるであろう息子イスマーイール(彼の上に平安あれ)と共にカーバを再築しました。アッラーの「人びとに、巡礼〔ハッジ〕するよう呼びかけよ。かれらは歩いてあなたの許に来る。あるいは、どれも痩せこけているラクダに乗って、遠い谷間の道をはるばる来る。」(巡礼章第27節)というご命令に従い、アブー・クバイス山に登り、全ての人々に呼びかけ、この呼びかけを実現したのです。

この呼びかけを、まだ魂の世界にいる人々ですら聞いたのでしょう。イブラーヒーム以来何千年もの後、イスラーム教徒たちが「ラッバイク アッラーフンマ ラッバイク〜」、すなわち「アッラーよ、私はあなたの呼びかけに応じます。あなたに比類すべきものはありません。あなたに配するべきものはありません。感謝と賞賛はあなたのためにあります。あらゆる恵みはあなたからもたらされます。あらゆる財産はあなたに属します。あなたには同位者はありません。私の全ての崇拝行為と服従はあなたへのものです、神よ!」と唱え、この壮大な、そして深い、イブラーヒームの呼びかけに従い、カーバへと駆け寄っているのです。

イブラーヒーム(彼の上に平安あれ)の息子イスハク(彼の上に平安あれ)の血筋から生まれたムーサー(彼の上に平安あれ)への啓示がシナイ山で下され、シナイ山が祝福された聖なる土地となったように、そしてムーサーがアッラーに近づき、近しさを得るために聖なるトゥーワの谷で靴を脱いだように、全ての人々、全ての時空に関わる普遍的メッセージであるクルアーンは、そこよりもなお尊い土地であるカーバのある土地から響き渡ったのです。終末の世のウンマの人々もまた、近しさを得るために、イフラームの状態でカーバへ来ることが必要なのです。


町や村の母であるマッカにあるカーバの真実と、被造物の最初の光、そして人類の中心である預言者の真実とには、強い結びつきがあります。これらは双子として、同じ胎内に宿ったのです。

イスラームにおける復興運動においても、カーバとムハンマド(彼の上に平安あれ)のこの面を理解することが非常に重要な基準となります。フェトゥフッラー・ギュレン先生はこの点について次のように述べておられます。「新たな復活運動と、カーバの、人間にとって保護される聖域であるという特性との間には強い結びつきがある。復活がどのような段階で実現するかという基準は、カーバの真実の理解に応じた割合となる。いつかこの割合が最高点にまで達すれば、復興もまた最も高い段階で実現するだろう。」

またアッラーは、「アッラーは人間の(現世における平安の)ため、聖なる家、カアバを創り、」(食卓章第97節)と仰せられておられるのです。

人の良心が、幽玄界からもたらされるものとこの目に見える世界の間の交差点であるように、そしてこの双方を見通す地点に存在しているように、カーバもまたこの世において、幽玄界と目に見えるこの世界の間の交差点であり、双方が出会う場でもあるのです。地球の心であるカーバは、常に人々の目の光、足を支える力、思いや感情の力と活気の源となったのです。信仰する人々の教えと世界は、それによって調和を守り、それはちょうど、人々の心のためのバランスという役目をいつでも果たしてきたのです。

 

アッラーへと方向付けられた人々はそれによって方向付けられ、礼拝や巡礼はカーバとの深い結びつきの中で実行されてきました。確かさを求める人は、そこやその周辺で起こった事柄を熟考することによって平穏と充足を手にしてきました。望郷の思いに泣く人は、そこで慣れ親しんだ息吹を感じ、恐怖から逃れることができました。カーバは、心からスィドレトゥル・ムンテハー(被造物の世界の最後の地点。天の第7層にあることが伝えられている)へと延びる線上にあり、一つのミフラブ(礼拝の方向を示すもの)であり、ミフラブの彼方であり、また諸世界や全ての空間の、地球の神聖なある地点における、石の形をした最も意義のある声なのです。アッラーがその保護を私たちに欠かされることなくお与えくださいますように。

復興の若い次世代に、カーバの真実を最大限理解できる認識をお与えくださるよう、アッラーに願います。


 

 


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