2005年6月号 

編集部より


 

先ごろ、元日本兵がフィリピンで発見されたという一大ニュースが日本中を駆け巡りました。情報が曖昧で結局は白紙に戻りましたが、80代の高齢となっているであろうその方々がジャングルの中でどのような生活を送ってきたのか、困難を極める中よくぞ生き延びられた、などと想像力を巡らしたり感慨深く思わされた出来事でした。もし自分自身がそのような状況下に置かれたとしたらどうなるでしょうか。励ましあう仲間がいなくては恐らくとても生きていけないだろうと思います。一人きりだったら、よほど強い精神的支えでもない限り、絶望か発狂してしまいそうです。


このような極限状態にならずとも、仲間や一緒に行動してくれる人は普通の生活で欠かせない大切な存在です。私たちは学校や職場、家庭、地域、共通の趣味などでさまざまな共同体を形成しています。しかし地域共同体は崩壊と再構築の必要性が叫ばれて久しく、その他の場面でも人間関係のギクシャクから日々多くの問題が生じています。また見ず知らずの人であっても、例えば同じ電車の乗客同士であったり、同じ国に住む住民であったり、ひいては同じ地球に住む人間同士と広く幾重にも重なった共同体の輪が存在するにも関わらず、気に入った輪の中だけでしか係わり合いをもとうとしない人の多いことが社会にさまざまな歪みをもたらす原因となっているのでしょう。しかも今ある人間関係でさえ、その重要さに見合った関わり方をしているかというと甚だ疑問です。


今月のテーマは「共同体」です。私自身、人間関係には長らくコンプレックスを抱えてやってきました。みなさんと共に行動を見直す指針とし、生きていく力となるような共同体形成に関わっていけたらと願っています。



 


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